革の裁断

裁断した革パーツ。今回これでバッグ3個分。
うちでは革は補助的パーツなので、一度にそんなにたくさんは使いません
全て手作業で切り出します。革包丁やカッターを使います。

裁断前の革↓

大量生産をするメーカーでは、専用の抜き型を用意し、機械でプレスして裁断します。
早くてきれいです。
一度にたくさん作れない(たくさん売れない)当工房では、手作業せざるを得ません。
ポリシーを持って手作業しているわけではありませんが、特注製作など小回りはききます。
よく「職人の手仕事だから…」といった宣伝文句を耳にしますが、
うちの仕事の場合は、機械と手作業どちらが良いということではなく、
単に事業規模の違いだと思っています。

アクリルテープ

静岡県遠州地域では織物産業が盛んで、
その中に”細幅織物”=「テープ」もあります。
バッグでは持ち手やショルダーベルトなどに使われることが多い素材です。

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当工房では主にベージュもしくは黒色の「アクリルテープ」を使用しています。
「ナイロンテープ」などはいかにも化学繊維の光沢がありますが、
「アクリルテープ」は、見た目は綿やウールに近い自然な風合いで、
肌ざわりの柔らかさも特徴です。
幅20mm、25mm、30mm、38mm、50mmを用意しています。
ベルト類は帆布で作ることもありますが、
仕上がりはアクリルテープと比べると硬く、重くなります。
この仕事始めるまでは、これを「テープ」と呼ぶことや、
化学繊維でできていることも知りませんでした。
日常生活にはあまり必要のない知識なので、
オーダー打ち合わせの時などお客様に説明しづらい素材でもあります。
開業当初より、榛原郡吉田町の「本橋テープ株式会社」さんにお世話になってます。
うちは使用量も少ないので、いつも極小ロットでご面倒おかけしてます。

綿帆布の防水性

↓当工房の使用するパラフィン防水加工9号綿帆布。
(新品の帆布に水をかけた直後の状態)

【当工房使用の帆布について】
当工房の使用する9号綿帆布は「パラフィン防水(ロウびき)加工」がされています。
はじめは水滴を弾くくらいですが、その効果はご使用により薄れます。

そもそも帆布(特に9号帆布)は生地の織り目が硬く締まっており、水に濡れることで繊維が膨張して、より水を通しづらくなるとされています。
この帆布の防水性がパラフィン加工でより強化されています。
しかし、生地自体が濡れない「撥水機能素材」の防水性とは異なります。
「綿の生地としては水を通しづらい」くらいにお考えください。
カラー帆布は濡れると色落ちもしやすくなります。
水濡れ前提でのご使用はおすすめしません。